「なんだか疲れやすくなった」「前と同じように歩いているのに、体重が落ちなくなった」。カウンセリングで、そんな話をされる方は少なくありません。
仕事や家事に追われて、運動のためのまとまった時間なんて取れない。それなのに、20代の頃より痩せにくくなっている気がする。そう感じている方に、まずお伝えしたいことがあります。
朝は身支度でバタバタ、日中は仕事、夕方からは夕食の支度や子どものこと。気づけば1日中座りっぱなしだったり、車での移動ばかりだったり。そんな毎日を送っていると、「今日はほとんど動いていないな」と感じることも増えてくるのではないでしょうか。
結論から言うと、「40代になったら代謝が急に落ちる」というのは、実は正確ではありません。ある研究では、体全体が使うエネルギーの量は、60歳くらいまでは大きくは変わらないと分かっています。
では、何が変わっているのか
変わっているのは、代謝そのものというより、筋肉量と、日常のちょっとした動きのふたつです。
筋肉は、30代あたりから何もしなければ10年で3〜8%ほど、ゆるやかに減っていくと言われています。筋肉は脂肪より多くのエネルギーを使う組織なので、筋肉が減ると、消費されるカロリーも少しずつ減っていきます。
もうひとつが、歩く・立つ・体を動かすといった、運動と呼べるほどではない日常の動き(専門的には「NEAT」と呼ばれます)です。忙しい毎日の中で、座っている時間が増えたり、車移動が増えたりすると、意識しないうちにこの動きが減ってしまうんです。
以前、カウンセリングで「今まで歩くダイエットで効果が出ていたのに、最近は同じようにやっても変化を感じない」とお話しされていた方がいました。何となく疲れやすいとも感じていたそうです。話を聞いていくと、生活の中で座っている時間が増えていて、歩く量自体もいつの間にか減っていました。
ご本人は「歩き方が悪くなったのかな」と気にされていたのですが、実際は歩くこと自体より、その前後の時間、つまり1日を通した動きの総量が変わっていたんですね。運動の内容以前に、生活全体の動きが少しずつ減っていた、というケースでした。
20代の頃とは、体の状況が違います
20代の頃は、階段を使う、荷物を運ぶ、友人と出かけるといった日常の動きが自然に多く、それだけである程度の活動量が保たれていました。40代になると、仕事のスタイルや家庭の状況が変わって、意識しないと体を動かす機会そのものが減ってしまいます。
ここは正直にお伝えしておきたいのですが、代謝が劇的に落ちるわけではないとはいえ、筋肉量の減少や活動量の低下をそのままにしておくと、その差はゆっくり積み重なっていきます。だからこそ、40代になった今、意識して動きを取り戻すことに意味があります。
「もう若くないから」とあきらめる必要はありません。特別なトレーニングをしなくても、日常の動きを少し増やすだけで、体は十分に応えてくれます。
忙しくても、今日から増やせる小さな動き
特別な運動の時間を作らなくても、日常の中で動きを増やす方法はいくつもあります。
- 移動のとき:近い距離ならエレベーターより階段を選ぶ
- 電話をするとき:座ったままではなく、立って話す
- 家事のすきま:洗濯物を干すときや掃除のときに、大きく体を伸ばす動きを加える
- 座りっぱなしを防ぐ:1時間に1回、席を立って少し歩く
- 買い物のとき:カゴを持って歩く、少し早歩きを意識する
どれも「運動」というほどのものではありません。でも、こうした小さな動きの積み重ねが、日常の活動量を底上げしてくれます。
さらに余裕があれば、立っているときにお腹やお尻に軽く力を入れる、階段の上り下りでいつもより少し大きく脚を動かすなど、ちょっとした負荷を加えてみるのもおすすめです。筋肉量の維持にもつながっていきます。
体重だけで判断しなくて大丈夫です
こうした小さな習慣は、体重にすぐ表れるとは限りません。それよりも、「前より疲れにくくなった」「階段がつらくなくなった」といった体の感覚の変化のほうが、先に感じられることが多いです。
数字だけを追いかけて焦らず、体の感覚も含めて変化を見ていってもらえたらと思います。
まず今日、試してほしいこと
この中から、今の生活に一番取り入れやすいものを1つだけ選んでみてください。全部を一度にやろうとしなくて大丈夫です。
1つの習慣が定着してきたら、また次を1つ増やす。そんなペースで、無理なく続けていくのがおすすめです。
忙しい毎日の中でも、体は日々の小さな積み重ねにちゃんと応えてくれます。まずは今日、この中のひとつからで大丈夫です。
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